モナシュ大学マレーシア校 ビジネス学部1年生・かずきさんに聞いた出願からマレーシア生活のリアルまで

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出願に必要だったのは、IELTSのスコア、高校の成績証明書、卒業証明書の3点。エッセイも面接もなかったそうです。2025年7月にモナシュ大学マレーシア校のビジネス学部に入学し、2学期目に入ったタイミングで話を聞きました。

もともと特に行きたい国があったわけではなく、マレーシアがどこにあるかも知らない状態からのスタート。出願先はモナシュ1校だけで、日本の大学には出願していません。マレーシアの「行きやすさ」が、海外の大学を現実的な選択肢に変えてくれたと振り返ります。

今回お話を聞いたのは、「他の国で生活したい」という気持ちから動き始めた結果、モナシュ大学マレーシア校にたどり着いたかずきさんです。(2026年3月取材)

INTERVIEW GUEST かずきさんの写真

「来てよかったな」と思う瞬間はたくさんある

かずきさん

  • 大学: モナシュ大学マレーシア校
  • 学部: ビジネス学部
  • 学年: 1年生(2025年7月入学)
  • 出願校: モナシュ1校のみ
  • 利用エージェント: 海外留学推進協会

かずきさんに、マレーシアを選んだ経緯やIELTSの勉強法、出願から渡航までの流れ、年間200万円を超える学費と月々の生活費の内訳、学生寮での暮らし、授業の1日の流れや成績制度、休みの過ごし方、保険で実際に病院に行った体験、そして卒業後のキャリアまで、詳しく聞いてきました。

CONTENTS

海外の大学を目指すまで

YouTubeで知った「高校生でも留学できる」

かずきさんが海外に目を向けたのは中学生の頃でした。コロナ禍の自宅で、イギリスにIB留学しているYouTuberの動画をたまたま見たことがきっかけです。

かずきさん

高校生でも留学できるっていうことを、そこで初めて知りました。

「高校生のうちに留学できる学校に行きたい」。そう思って調べるうちに、関東の私立高校にたどり着いたそうです。この高校にはクラス全員で半年間ニュージーランドに留学するプログラムがあり、留年の必要もなければカリキュラムに遅れる心配もない仕組みでした。

高校1年生の間はDMM英会話を毎日25分、学校のカリキュラムとして続けていたとのこと。やらないと成績に響くため、英語に触れる時間が自然と確保されていた環境だったようです。

「他の国でも生きていける」と思えたニュージーランドの半年間

ニュージーランドでは、クラスメイトとは別の高校にそれぞれ一人ずつ配置されました。休みの日に会うことはできても、普段は現地の生徒に囲まれて一人で過ごす日々です。

一人で全然知らない国の高校に行って、お友達を作って、ホストファミリーとうまくやって生活できた。それが「他の国でも行けるんじゃないか」っていう自信になりました。

高校2年生での半年間の経験が、「他の国でも自分は生きていける」という実感につながったそうです。帰国後も「もう少し海外で生活を続けたい」という気持ちが心のどこかに残り続けていました。ただ、海外の大学に進学するとなると、金銭面も受験の仕組みも分からないことだらけで、当時は現実的なプランとして考えられなかったと振り返ります。

マレーシアという選択肢との出会い

ニュージーランドにいる頃から「どこかいい国はないか」と調べていた中で、マレーシアという名前が目に入りました。

マレーシアで英語を喋るっていうことも知らなかったし、どこにあるのかもちゃんと分かってなかった。情報ゼロの状態でした。

それでも「なんとなく良さそうだ」と感じたかずきさんは、マレーシアの大手留学エージェントの留学フェアに足を運びました。高校2年生の秋、ニュージーランドから帰国した直後のことです。ネットで見る情報と実際に話を聞くのとでは感覚がまるで違い、「この感じだったら僕でも行けそうだな」と思えたとのことでした。

特定の国に強い憧れがあったわけではなく、「他の国で生活したい」という気持ちが一番の動機だったそうです。アメリカやヨーロッパと比べて費用面のハードルが低いマレーシアは、海外大学進学を「現実的なプラン」に変えてくれる存在でした。

マレーシアに決めた後にどんどん調べていったり実際に過ごしていく中で、当時は分からなかったマレーシアの魅力がもっともっとたくさんあるなと思っています。

オーストラリアの名門モナシュ大学マレーシア校に正規留学されているかずきさんが友人たちとツインタワー前で撮影した写真

モナシュ大学を選んだ理由

「オーストラリアの大学」という安心感

マレーシアの大学をいくつも見学した中で、かずきさんが選んだのはモナシュ大学マレーシア校でした。高校2年生の終わりに父親と5日間マレーシアを訪問し、1日目は休息、2〜4日目に1日2校ずつ回るスケジュールで、テイラーズ大学、INTI、UCSI、サンウェイ大学、APU、モナシュを見学したそうです。宿泊はKLセントラル近くのバンサー駅と直結しているコンドミニアムにAirbnbで泊まったとのこと。

薄っぺらい話かもしれないですけど、オーストラリアの大学っていうところに、大学としての安心感がすごく強かったです。

モナシュを選んだ理由は主に4つあったと話していました。1つ目は、オーストラリアの大学というネームバリュー。まだよく知らない国の大学に比べて、オーストラリアという国名が持つ信頼感が大きかったとのこと。2つ目は留学生の多さで、マレーシア人が半数をやや超える程度、それ以外にも多国籍な学生がいる環境に惹かれたそうです。

3つ目は他国への展開のしやすさ。オーストラリアの本校への交換留学や、ヨーロッパ・アメリカへの留学の道も開けている点に魅力を感じたとのことでした。4つ目はビジネス学部のランキングが周辺の大学より高いことです。

費用面では、当時の為替レートで日本の都内の私立大学と同じくらいのコスト感だったことも後押しになったと話していました。ただし「今はもう全然夢の話ですね」と、円安の進行による変化にも触れています。

順番としては、まずマレーシアという国を選び、その後で大学をモナシュに絞ったという流れです。

モナシュ1校だけの出願

かずきさんが出願したのはモナシュだけです。マレーシアの他の大学にも、日本の大学にも出願していません。

モナシュに入れなかったら、マレーシアの他の大学に改めて出願するつもりでした。それくらいマレーシアに行くということは決めていたので、もうモナシュしか出しませんでした。

もしモナシュに直接入学できなかった場合は、ファウンデーションコース(大学進学のための準備課程)やMonash English(大学付属の英語プログラム)から入ることも想定していたそうです。マレーシアに行くこと自体は決めていたので、最悪の場合は他の大学に出し直すつもりだったとのことでした。

日本の大学については、都内の私立大学や英語系の大学を「保険として」受けるよう学校からかなり勧められたとのこと。ただ、「本当に行く気がないのに受けてもしょうがない」と、結局どこにも出願しなかったそうです。周囲がみんな受験勉強をしている中、かずきさんはIELTSの勉強に集中する道を選びました。

モナシュ大学マレーシア校のキャンパス外観

家族の反応と「自分でやる」という条件

家族に留学の話をしたとき、基本的なスタンスは「やりたいことは何でも自由にやっていい」だったそうです。

お金は出すし、行ってもいいけれど、やることは自分でやってね。

書類作成、エージェントとのやりとり、大学へのメールなど、手続き全般を自分でやるのが条件でした。学費と生活費は親が負担し、遊びや旅行の費用は日本でのバイト代で賄うという取り決めだったとのことです。

父親はマレーシアについて調べたうえで「いいんじゃない?」と理解を示してくれた一方、親戚や友達に伝えると「えぇっ」という反応が返ってきたそうです。

「なんでマレーシア?」って聞かれて、そこでマレーシアの魅力を伝えていくのがすごい楽しいですね。まだみんなが知らないマレーシアの魅力を、僕を通じてどんどん発信できていけたらなと思っています。

母親は行ったこともない国への不安があったものの、高校2年生の終わりに父親と二人でマレーシアを見学に行ったことで安心感が生まれたそうです。今では「そのうち遊びに行きたい」という雰囲気になっているとのことでした。

出願から渡航までの流れ

5ヶ月でIELTS 6.5

モナシュ大学ビジネス学部の出願に必要な英語スコアは、IELTS(英語力を測る国際的な試験)オーバーオール6.5です。かずきさんはニュージーランドから帰国した高校2年生の10月頃からIELTSの勉強を始め、翌年3月に受けた1回の受験でオーバーオール6.5(リスニング6.0・リーディング6.5・ライティング6.0・スピーキング7.0)を取得しました。

オーストラリアの名門モナシュ大学マレーシア校に正規留学されているかずきさんのIELTSスコア結果

勉強の柱は3つ。単語・リーディングは、IELTS用の単語帳と過去問をひたすら繰り返したそうです。ライティング・スピーキングは、高校にいたカナダ人の先生に助けてもらい、特にスピーキングの面接練習を重ねていたとのこと。リスニングは、BBCのポッドキャストを移動中や何かしている時にずっと聞いて耳を慣らしていました。

日本にいると全く英語って耳に入ってこないじゃないですか。ちょっとでも耳を慣らすために聞いておくと、すごいいいんじゃないかなと思います。

5ヶ月でIELTS 6.5に到達できた背景には、高校1年生から毎日続けていたDMM英会話と、ニュージーランドでの半年間がありました。IELTSの勉強と並行して英検準1級も取得しています。

エッセイなし、書類3点。出願から渡航までの流れ

時期出来事
2023年10月頃IELTS・英検の勉強を開始
2023年11月(高2)留学フェアに参加。マレーシア留学への気持ちが固まる
2024年3月17日(高2終わり)IELTS 6.5を1回の受験で取得
2024年3月末父親とマレーシアを見学。大学を複数訪問
2024年7月末高3前期の成績発表を受けて出願
2024年9月30日Conditional Letter of Offer(条件付き合格通知)を受け取り
2024年11月23日別のエージェントの留学フェアに参加
2025年3月上旬高校卒業。卒業証明書・成績証明書を大学に提出し、学生ビザ申請を開始
2025年3月12日Letter of Offer(正式な合格通知)を受け取り
2025年4月30日eVAL取得
2025年5月1日〜5日E-Visa申請・取得
2025年7月中旬マレーシアに渡航
2025年7月21日学部オリエンテーション開始

出願は高3の夏、前期の成績が出たタイミングで行いました。約2ヶ月後にConditional Letter of Offer(条件付きの合格通知)が届き、高校卒業後に残りの書類を提出すると、約1週間で正式なLetter of Offerを受け取ったそうです。

出願に必要だった書類は、IELTSのスコア、高校の成績証明書、卒業証明書の3点でした。

エッセイがないのが、一番行きやすいポイントだと思います。

ビザの取得もスムーズだったそうです。eVAL(電子ビザ承認レター)は約2ヶ月、E-Visa(電子ビザ)はわずか4日で発行されています。アメリカなどと比べると、ビザの面でもハードルは低かったという印象を持っているとのことでした※。

※ ビザ関連で約6万円を支払った記録があるそうですが、正確な金額かは本人も不確かとのこと。

一番役立ったのは先輩のブログだった

マレーシア留学の情報収集には、Google検索とYouTubeがメインだったそうです。普段の生活の雰囲気を知りたい場合はInstagramやTikTokも参考になるとのこと。特に役立ったのは、同じモナシュ大学の先輩が書いているブログで、記事の種類が多くとても参考になったと話していました。

出願手続きで利用したのは、海外留学推進協会という無料のエージェントです。

全部丸投げでやってくれるというよりは、「こういうやり方があるので、このサイトからログインして自分で打ち込んで、このPDFを送ってやってくださいね」という感じでした。それが僕にはすごく合っていました。

自分で手続きを進めるスタイルなので、今どういう状況で何をすべきかを常に把握できた点がよかったそうです。メールの返信も早く、7月入学に間に合うよう段取りを立ててくれたとのこと。

このエージェントが無料で利用できるのは、学生を大学に送り込むごとに大学側からエージェントへ報酬が支払われる仕組みだからだそうです。かずきさん自身は一切費用を払っていないと話していました。

モナシュでの授業と課題

予習動画を見てから授業に臨むスタイル

モナシュマレーシア校の授業は、3つのステップで進みます。まず授業前にオンラインのレクチャー動画を視聴して予習し、その知識を持って授業でディスカッションやアクティビティに参加。その後、学んだ内容をもとに課題に取り組むという流れです。

予習には早くて1時間、かかって2時間くらい。各科目でそれくらいかかります。

カリキュラムはオーストラリアの本校と基本的に同じだそうです。ただしマレーシア校にはない科目もあり、たとえばオーストラリア校で開講されているJapan Studyはマレーシアでは受講できないとのこと。

学生はアジア系が多く、ディスカッションの雰囲気はやや控えめな面もあるようで、イメージするようなアクティブな議論が盛り上がりにくい場面もあったと話していました。

週4コマ、でも暇にはならない

1学期に履修するのは4科目で、それぞれ週1回・2時間の授業です。かずきさんの今学期の時間割は、火曜日に1コマ、水曜日に2コマ、木曜日に1コマ。月曜と金曜は授業がありません。

対面授業は週8時間ですが、予習の動画視聴を含めると実質的な学習時間はその倍近くになります。

めちゃめちゃ暇になるのかなって思うんですけど、課題とか予習があるので全然暇にはならない。テストが来たり、課題の締め切りがいっぱいある週になると時間が足りないですね。

課題はライティング系(エッセイなど)が中心で、グループワークやプレゼンテーションもあるそうです。

マーケティングの動画制作と、先生の「お腹空いた」

印象に残っている授業として、マーケティングのグループ課題を挙げていました。実際に製品を持ってきて、授業で学んだコンセプトを盛り込みながらプロモーション動画を制作するという内容です。

一方で、グループワークならではの難しさもあります。

各授業が週に1回しかないので、週に1回しか会わない全然知らない人とグループを組んで課題に取り組むのは、すごく大変です。

雰囲気のいいグループならスムーズに進むものの、お互いをよく知らない中でコミュニケーションを取りながら進めるのは簡単ではないそうです。

ちなみに、先日は先生が「お腹空いたから、今日はもう終わりにしよう」と30分ほど早く授業を切り上げたこともあったそうで、こういった場面にも海外らしさを感じたと笑っていました。

授業のある日の1日

授業がある日の流れも聞いてみました。たとえば10時に授業が1コマある日の場合、だいたい8時に起きて準備と朝ごはんを済ませ、予習を軽くしてから授業に向かうそうです。授業は11時半〜12時頃に終わり、そのままクラスメイトと一緒にご飯を食べに行くことが多いとのこと。

昼食後は大学に戻って友達と一緒に課題をするのが定番の流れだそうです。勉強場所はだいたい図書館で、テスト期間で混んでいるときは大学のフリースペースや外のカフェを使うこともあると話していました。

大体マレーシア人のローカルの子たちは夕方ごろに帰っていくことが多いですね。それに合わせて自分も部屋に帰ってくる感じです。

就寝はだいたい夜12時、起床は7〜8時。「ガッツリ寝れてます」とのこと。

授業がない日(月曜・金曜)は基本的に課題をやって過ごし、課題がないときは友達とご飯を食べに行ったり、走りに行ったりしているそうです。ランニングが好きで、モナシュ周辺を走ることもあれば少し離れた場所まで行くこともあると話していました。

成績制度と期末試験

ビジネス学部の成績は、教科によって評価の仕組みが異なるそうです。テストがある科目はテストの点数で、テストがない科目は普段の課題の点数で各教科の評価が決まり、それを合わせたGPAが最終的に出されるとのこと。評価体系はABCDに似ていますが呼び方が異なり、HD(High Distinction=最高評価)など独自の区分があるそうです。

モナシュ大学の成績評価

1学期目に履修したのは、ファイナンス、マーケティング、ビジネスロー、アカウンティングの4科目。2学期目はマイクロエコノミクス、スタティスティックス、マネジメント、マネジメントコミュニケーションを取っています。

一番難しかったのはファイナンスですね。専門用語が多いっていう点と、初めて知る計算の仕方が多かったのがポイントだと思います。

期末試験は全科目にあるわけではなく、基本的には計算系の科目で実施されるそうです。1学期目はビジネスローとファイナンスに期末試験がありました。

試験は自宅からオンラインで受験する形式だったとのこと。部屋の中をカメラで全方向スキャンしてカンニングがないかチェックした後、画面越しに試験を受ける仕組みで、オンラインで監督が見ている状態だそうです。

費用とお金のリアル

学費は年間約200万円、そして値上がり中

モナシュ大学マレーシア校ビジネス学部の学費は、かずきさんが入学した2025年7月時点で1学期あたり約90万円、年間で200万円を超えないくらいでした。

しかし入学後、状況が変わりつつあります。

マレーシアリンギットが世界的にも強い通貨になりつつあって、それに加えて学費の値上げと、今まではかからなかった学費への税金もかかるようになりました。今は1学期で100万円を超えます。

現在の年間学費は約200万円強。当初は「日本の都内の私立大学と同じくらい」だったコスト感が、円安とリンギット高で変わりつつあるのが現状です。学費以外に大学に支払う費用は特にないとのことでした。

1日の食費は約30リンギット

項目金額(RM)備考
家賃2,000学生寮Waterfront(光熱費・Wi-Fi込み)※入居時は1,800 RM
食費約9001日約30 RM。朝は自炊、昼・夜は外食中心
交通費約100電車は月2回程度。Grab(配車アプリ)利用分を含む
雑費200〜250服・日用品など
合計約3,200〜3,250

※ 1リンギット(RM)≒ 約35円(2025年の年間平均。月別レンジ:32.7〜38.1円)

学費と家賃は親が負担し、それとは別に月約6万円の仕送りを受け取って食費や日用品などに充てているそうです。遊びや旅行の費用は、日本でしていたバイトの貯金やオンラインでの仕事で賄っているとのこと。奨学金は利用していません。

仕送りは日本円で受け取っているため、リンギットに両替した時の手取りが目に見えて減っていると感じているそうです。

オーストラリアの名門モナシュ大学マレーシア校に正規留学されているかずきさんが友人たちと外食に行った時の写真

日本からの送金はWise経由でMaybankへ

日本からマレーシアへの送金は、以下のルートで行っています。

  1. 親が日本のかずきさん名義の口座に振り込む
  2. Wise(海外送金サービス)を使って日本円からリンギットに両替
  3. マレーシアのMaybank口座に着金

日常の支払いにはMaybankのデビットカードとアプリを使っているそうです。アプリにはPayPayのようなQR決済機能がついていて、口座から直接引き落とされる仕組みとのこと。Touch ‘n Go(マレーシアの電子マネー)のアカウントも持っていますが、普段はあまり使っていないそうです。

住まいと生活のセットアップ

まずは学生寮、慣れたら外へ

かずきさんが暮らしているのは、大学の学生寮Waterfront(ウォーターフロント)のBlock D、シングルビッグの部屋です。

日本にいる時点でマレーシアのコンドミニアムを契約するのはハードルが高い。内見もできないし、どのエージェントがいいかも分からない。なので最初は大学寮に住んで、その後外に引っ越すのが元からのプランでした。

大学の近くに住むことで友人関係を広げやすいという理由もあったそうです。本当はシングルスモール(より安い部屋)を希望していたものの、入居時に空きがなくシングルビッグになったとのこと。

家賃は入居時の1,800 RMから現在2,000 RMに値上げ。光熱費とWi-Fiは込みです。入居時にデポジットとして家賃2ヶ月分(3,600 RM)を支払っています。

オーストラリアの名門モナシュ大学マレーシア校に正規留学されているかずきさんが住まわれている寮のプール写真

ユニットには6部屋あり、6人で共同生活をしています。入居当初は食器を洗わない人やキッチンを汚す人がいてトラブルもあったそうですが、そうしたルームメイトが引っ越してからは平和な日々を送っているとのこと。ただ家賃の高さもあり、次はもっと安いところへ引っ越す予定だそうです。

引っ越し先を探す方法も聞いてみました。一番大きかったのは友達からの紹介で、ウォーターフロントの外に住んでいる友達に家賃や住まいを聞いてまわったそうです。物件探しにはiPropertyという無料の不動産アプリも活用し、そこから不動産エージェントにつなげていく流れだったとのことでした。

SIMカード・銀行・保険のセットアップ

SIMカードはCelcomDigiを利用しています。月額25〜35 RMでデータ無制限のプラン。速度にも不満はないそうです。購入は空港到着後すぐに済ませたとのこと。お迎えの人と合流するまでに時間があったので、そのまま空港内で買いに行ったそうです。

銀行口座は大学構内にあったMaybankで、1学期目の1〜2週目に開設しました。必要書類は大学の在学証明書とパスポートのコピーだったとのこと。できるだけ早く作りたかったものの、学生ビザ(Student Pass)の申請を大学が代行する際にパスポート原本を預ける必要があり、返却されるまで開設できなかったそうです。デビットカードとアプリが使えるようになり、日常の支払い手段として活用しています。

たびほで病院に行った体験

保険はたびほを利用しています。

パッケージの保険だと、いらない保証もすごく多い。本当に必要な保証の分の保険料だけ払いたかったので、物を壊した時のやつとか病院とか、必要なものだけ選べるたびほにしました。

実際に1度、耳鼻科を受診する機会がありました。たびほのキャッシュレス対応(患者が窓口で立て替え払いをせず、保険会社が病院に直接支払う仕組み)で一番近かった病院がスバンジャヤ・メディカルセンターだったそうです。

日本語が通じないテンションで行ったんですけど、行ってみたら思った以上に大きい病院で、頼む前にもうすでに日本語の通訳の人が待っていました。

受診の手続きもスムーズだったとのこと。パスポートと保険証書の紙を見せるだけで、自己負担ゼロでそのまま受診できたそうです。

マレーシアで暮らして気づいたこと

思っていた以上に都会だった

かずきさんが初めてマレーシアを訪れたのは、高校2年生の終わりに父親と見学に来た時のことです。

日本にいる時の東南アジアのイメージって、開発が遅れていたり道が汚かったりっていうのが強いじゃないですか。でも実際に来てみると、ビルもめちゃめちゃあるし、スーパーもコンビニもあるし、全く不自由のない生活ができる場所でした。

大学周辺は学生が多く便利なエリアという面はありますが、それを差し引いても「思っていた以上に発展している国」という印象だったそうです。気候は赤道に近いので暑いものの、日本の夏と比べると涼しく感じるとのことでした。

オーストラリアの名門モナシュ大学マレーシア校に正規留学されているかずきさんが撮影したムルデカ広場前の写真

最初の数日が一番きつかった

マレーシアに到着してすぐの時期が最もつらかったと話していました。

自分の部屋をゲットしても、もちろん中にはなにもないんですよね。シーツとか枕とか。自分でお店を探して動き回ってなんとか手に入れるのはとても大変でした。

1学期目に入ってからも、課題のやり方や授業の進め方が分からない中で、同じ日に複数の締め切りが重なってどうしていいか分からなくなった時期があったそうです。

同じ課題をやっている友達を見つけて、一緒に頑張ろうっていうのが、すごい安心感がありました。

気持ちが落ちた時の立て直し方も聞いてみると、「運動するのが結構いい」とのこと。走るのが好きなので、ランニングで気を紛らわせてから課題に戻ることが多かったそうです。友達と辛さを分かち合うことで「自分だけじゃないんだ」と思えるのも大きかったと話していました。

2学期目の今は一通り慣れて、課題の進め方も分かるようになったとのこと。「最初の、本当の一番最初はすごく難しい。でも2回目だと慣れている」と話していました。

帰りたいと思うことはあるかという問いには、「帰りたいかもとは思うけど、帰ったとして何するのかという話になる」と答えていました。課題がしんどい時に辞めたくなることもゼロではないけれど、辞めても仕方がないからやるしかないという気持ちで日々を過ごしているそうです。

時間感覚と文化の切り替え

マレーシアで暮らす中で変わったこととして、時間に対する感覚を挙げていました。

「何時集合ね」と言っても、友達はその時間には来ない。ちょっと遅れて行ってちょうどいいんです。

日本に帰ると時間感覚を戻し、マレーシアに戻るとまた適応し直す。2カ国を行き来するからこそ生まれるカルチャーショックだそうです。

直近の一時帰国では、日本の空気を読む文化が感覚として戻ってしまい、それをそのままマレーシアに持ち帰ってきてしまったとのこと。2学期目が始まったばかりの今は、マレーシアの生活に再適応している最中だと話していました。

休みの過ごし方と一時帰国

モナシュには大きく分けて2つの休みがあるそうです。学期の真ん中にある約1週間のミッドブレイクと、学期末から次の学期が始まるまでの長期休みです。

ミッドブレイクでは友達とマレーシア国内を旅行することが多く、前回の学期ではペナン島に遊びに行ったとのこと。学期の始めの週末にはタイにも出かけたそうです。

やっぱり東南アジアの距離感的に、日本から行くのと比べるとすごく行きやすいので、日本の国内旅行に行くような感覚で他の国に行きやすいっていうのはすごくいいポイントなのかなと思います。

1学期と2学期の間の長期休みでは日本に一時帰国し、免許合宿に行ったほか、2ヶ月間リゾートバイトをして旅行資金を貯めていたそうです。

食事と日本の食材

マレーシア料理が口に合うかについても聞いてみました。かずきさんは「結構好きな方」とのこと。マレーシア料理だけでなく中華や日本食もたくさんあるので、いろんなご飯を組み合わせて食べていくことで楽しめると話していました。

日本の食材は近所のスーパーマーケットで手に入るそうです。Jaya GrocerやVillage Grocerといった少しいいスーパーに行くと、日本の食材が豊富に揃っているとのこと。

渡航時に持ってきて良かったものとしては、日本のお菓子や食べ物を挙げていました。マレーシアでも手に入るものの、値段を考えると日本から持ってくる方がお得だそうです。逆に要らなかったものは「特にない」とのこと。意外だったのは厚手の上着の必要性で、外は暑くても屋内(大学や商業施設)の冷房がかなり強いため、パーカーやデニムなど厚めの服が役立つそうです。

多国籍な友人と英語の変化

友達の比率は日本人が4割、他の国が6割くらい。きっかけは授業で知り合い、そこから友達の友達へと広がっていくパターンが多いそうです。ビジネス学部は特に留学生が多い学部で、中国、モーリシャス、インドネシア、インド、パキスタンなど多様な国籍の学生がいるとのこと。

モーリシャスの友達からは、ヨーロッパに行くのとマレーシアに行くのとで距離がそこまで変わらず、コストが安くて暖かいマレーシアを選んだと聞いたそうです。「日本と同じ感じですね」とかずきさんも笑っていました。

宗教を意識する場面もあるそうで、最近はラマダン(イスラム教の断食月)の時期にムスリムの友達と食事に行った体験を話してくれました。

ご飯は目の前にあって注文もしてるんだけど、19時半まで食べられない。それをみんなしっかりリスペクトしているし、一緒にご飯食べるなら一緒に待つ。すごく優しいなって思いました。

英語力の変化については、「めちゃめちゃ伸びたとは言えない」と正直に話していました。マレーシアで日常的に使われる英語は文法を気にしないカジュアルなもので、その環境に慣れた結果、フォーマルな場面で言葉が出にくくなることがあるそうです。一方で、マレーシアをはじめ様々な地域のアクセントが聞き取れるようになってきているとのこと。相手のアクセントに無意識に釣られてしまう癖もついたと笑っていました。

普段の生活は英語だけで問題ないものの、ローカルな飲食店では英語が通じないこともあるそうです。マレー語の数字を少し覚えておくと、やりとりがスムーズになる場面もあると話していました。

ちなみにモナシュには日本人コミュニティもあり、グループチャットには約200人が参加しているそうです。大学のWi-Fiは普段の動画視聴や授業には支障ないものの、たまに調子が悪くて繋がりにくい時もあるとのことでした。

オーストラリアの名門モナシュ大学マレーシア校に正規留学されているかずきさんが撮影したローカルの写真

治安は予想以上によかった

今住んでいるエリアは予想以上に治安がよく、事件の話を聞くこともないそうです。ただしスリや置き引きの可能性はあるため、スマホや鞄を置きっぱなしにしないといった基本的な注意は必要とのこと。かずきさん自身は半年間で危険な経験は一度もなく、「比較的安全なエリアに住んでいるのかなと思います」と話していました。

これからと、後輩へのメッセージ

マレーシアか海外で働きたい

卒業後のキャリアについては、3つの選択肢を考えているそうです。一番の希望はマレーシアか他の国で働くこと。

今考えているのは貿易系の仕事です。例えば今度マレーシアに日本のサイゼリヤが進出するんですけど、その進出をする側の仕事とか。

ただし海外就職で一番の壁はビザの問題で、うまくいかなければ一旦日本で就職してから海外に出るルートも視野に入れているとのことでした。

家族のスタンスは留学時と変わらず、「どこに住んでもいいし、何してもいい」。自分で考えて道を切り拓いていくつもりだと話していました。

オーストラリア校との違い

モナシュにはオーストラリアの本校とマレーシア校がありますが、卒業後の扱いに違いはあるのでしょうか。

かずきさんによると、一番大きな違いは卒業後にその国で働けるかどうかだそうです。オーストラリアの場合は卒業生ビザ(大学卒業後に一定期間の就労・滞在が認められるビザ)である程度の期間滞在できる一方、マレーシアではビザの関係で卒業後に留まるのは難しいとのこと。

履歴書の上では同じモナシュ大学なので、就活で「マレーシア校だから」という差は生まれないだろうというのがかずきさん個人の見解です。東南アジアのマレーシアとオセアニアのオーストラリアでは、上下ではなく、それぞれ違った経験を持っているのだと話していました。

マレーシア留学は「逃げ」?

マレーシア留学が「逃げ」と言われたらどう思うか、という質問もぶつけてみました。

他の、例えば欧米の大学と比べると、確かに入学する上では比較的入りやすいので、逃げって言うような言い方もあるのかなと思います。

ただ一方で、実際にマレーシアにいる間に得られる経験っていうのは、自分がどういったことをするのかによって人それぞれ変わってくると思うので、その人次第なのかなと思います。

入りやすいのは事実として認めつつ、そこで何をするかが大事だという率直な答えでした。

後輩へのメッセージ

最後に、マレーシアの大学進学を考えている後輩へメッセージを聞きました。

マレーシアは他の国と比べてすごく行きやすい国だと思うので、ちょっとでも行きたいっていう気持ちがあるんだったら、その方向で進めていいんじゃないかなと思います。行かないで後悔するんだったら、行って後悔した方が経験的にもいい。

全てがキラキラした生活ではないし、日本の方がよかったのかなと思うこともある。それでも「来てよかったな」と感じる瞬間はたくさんあるとのことでした。

2学期目に入り、マレーシアの暮らしにも大学の課題にも少しずつ慣れてきたかずきさん。「やるしかないですよね」と笑いながら、モナシュでの毎日を過ごしています。


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免責事項

本記事の内容はインタビュー時点の情報に基づいており、費用・制度・条件は時期や個人の状況により異なります。ビザ制度や奨学金制度等は変更される可能性があるため、最新情報は各機関の公式サイトでご確認ください。本記事の内容に基づく判断や行動の結果について、当メディアおよび執筆者は責任を負いかねます。

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この記事を書いた人

マレーシアを中心に、海外の大学に通う現役学生への直接インタビューをもとに、進学のリアルを発信しています。費用・手続き・大学生活まで、実際に現地で学ぶ学生の声をそのまま届けます。

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